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【アニメレビュー】勇者エクスカイザー

go with me エクスカイザー

勇者エクスカイザーは1990年代に名古屋テレビサンライズが制作したロボットアニメである。
本作を含め勇者王ガオガイガーまでの8作品にわたる作品群を「勇者シリーズ」とも呼ぶ。

第1話 ボクんちの車は宇宙人!?


1.あらすじ

宇宙海賊ガイスターが地球に襲来。宇宙警察カイザーズのリーダーのエクスカイザーはガイスターを追跡して地球にやってきた。エネルギー生命体である彼らはさまざまな乗り物に融合。小学3年生の星川コウタは、自分の家の車に宇宙警察カイザーズのリーダー、エクスカイザーが融合していることを知り、誰にも秘密で協力することになった。
(2019/4/15 公式サイト
勇者エクスカイザーより引用)

2.勇者シーズについての解説

エクスカイザーは記念すべき勇者シリーズ第一作目の作品である。
まずこの作品ではなく勇者シリーズの魅力について語りたい。
勇者シリーズの主人公機のほとんどが車に変形する(その数5/8)。車に変形するロボットと言えば何が思い浮かぶだろうか?
そう。トランスフォーマーである。
もともと勇者シリーズトランスフォーマーの派生作品である。本作に登場するガイスター4将はダイノボットのリカラーであるし(商品化はされていない)シャドウ丸といったトランスフォーマーのリデコ商品も数多く存在する。

しかしトランスフォーマーの派生作品と言ってもトランスフォーマーとは似て非なる存在である。
トランスフォーマーは作品にもよるがロボットたちが地球という別の環境でどのように過ごすかというのが作品である。

それに対して勇者シリーズは「少年とロボット」の絆を描いたものが非常に多い。
ロボットたちがピンチに陥ったら少年が何かを閃いて助け合う。
そこが魅力の作品群と言える。

また「合体」という要素も非常に重きを置いている。
合体後のその姿は口のあるデザインからマスクタイプに変わる。
ここが非常にかっこいい。
普段口のあるロボットだからこそのカッコよさともいえる。

また合体後のその顔のデザインはガンダムっぽくもあり、またガンダムとは別の質のカッコ良さがある。
そこがまたたまらない。

3.「勇者エクスカイザー」ついて

 この作品の基本フォーマットはごくごく単純な勧善懲悪で、事件が起きる→ガイスターズが暴れる→エクスカイザーたちが成敗する。といったものだ。言ってしまえばロボットアニメ版アンパンマンだ。
内容も非常に道徳的であり幼稚園児に見せても問題のない作品と言える。

4.本作の良い点

完全に子供向けに制作されているので安心して観れる。
今まで重要なポジションのキャラクター突然死ぬなど気の抜くことができない作品が多いロボットアニメは数多く存在するが本作は本当に安心できるといって過言はないだろう。しかしラスボス・ダイノガイストとの決着は気を抜いているとドキモを抜かれることになるので要注意だ。

無茶な合体なのにどれもかっこいいメカニックデザイン
勇者エクスカイザーに登場する合体は
マトリューシカ方式のキングエクスカイザー
トーテムポール方式のゴッドマックス
半分こ合体のウルトラレイカ
こうやって文章にしてみると非常にばからしく思えるが当然のようにかっこいいのでさすがと言える。
さらにキングエクスカイザー、ゴッドマックスらは別に動物から変形するわけではないのに胸にそれぞれライオン、ワシをかたどった飾りをつけているのが非常に面白い。

非常に道徳的で考えさせられる話が多い
例えば第36話に主人公のコウタがヒロインの私物を壊してしまい、エクスカイザーにその修復を頼むというエピソードがある。
しかしこれに対してエクスカイザーは直すことはできるが本当に大切なことはきちんと謝ることの方が大切だとそっと背中を押す回がある。
文章にしてみるとごくごく普通の話かもしれないが大人になった今、きちんと謝ることって改めて大切だなと再認識させられる話が多い。

5.本作の問題点

話が単純でストーリー性も全体の話数を考えてもストーリー性が薄い。
これは良い点がそのまま裏目に出てしまった問題点でもある。
エクスカイザーは基本一話完結のため所謂捨て回というものも非常に多い。話の連続制といえばグレート合体の流れと最終決戦ぐらいしかない。
この点は制作スタッフ内外でも気になった人がいたのか、次作の「ファイバード」では改善がなされている、

主人公コウタとエクスカイザーの関わりが薄い。
上に書いたとおり確かにトランスフォーマーよりは少年とロボットの関わりは多い方ではあるが、ファイバード以降の作品と比べてしまうと
「日常編はエクスカイザーが空気、戦闘パートではコウタがただの観客になってしまっている」事が多い。
すべての話がそうだとは言い切れないが日常、戦闘共にお互いがいなくても完結できる話が少なくはない。
こちらも上同様ファイバード以降は改善がなされている。

6.「勇者エクスカイザー」を見るのなら?

以前はAmazon primeにて全勇者作品が配信されていましたが2017年に配信が終了してしまい2019/04/16現在も1話しか無料で視聴できない状況です。
視聴手段としておすすめなのはdアニメストアになります。

anime.dmkt-sp.jp


7.総評

★★★★☆
 上記2点のような問題点はあるがシリーズの第1作にしてこの完成度は非常に高いといえる。もっともこの作品の人気があったからこそ後に8作品にも渡ってシリーズが続いたとも言えるわけではあるが。
 ただ今までガンダムと言ったロボットアニメや深夜アニメを視聴してきた方にはあまりおすすめできない作品になるかもしれない。
 もちろんキングエクスカイザー、グレートエクスカイザー等のデザインに一目惚れしたのなら見る事をお勧めする。
 基本はロボットのアツい戦いなのにどこかホンワカした感覚を味わえるのはこの作品ならではないだろうかと自分は考える。

以上
アニメ「勇者エクスカイザー」の紹介でした。

次回は「太陽の勇者ファイバード」の予定です。